78キロだった頃の僕と、体の「違和感」
正直に言うと、2年前の僕は「完全に油断していた中年」でした。
体重は78キロ。身長に対して明らかに重いのは分かっているのに、どこかで「まあ、まだ大丈夫だろう」と思っていました。
でも、日常の中に小さな違和感が増えてきました。
- 階段を上がるとすぐ息切れする
- 昔はスッと履けていたズボンがきつい
- 夕方になるとどっと疲れて、頭が働かない
- なんとなくお腹が張っていて、便秘と下痢をくり返す
さらに、鏡に映った自分の姿を見て「写真には残したくないな」と思う瞬間も増えました。
家族や友人の前では冗談めかして笑っていましたが、心の中では「このまま歳を重ねたら、10年後どうなっているんだろう」と密かに不安を感じていました。
健康診断の結果も、見るたびにちょっとずつ悪くなっていく。
紙を受け取るたびに「そろそろ本気で何とかしないと」と思うのに、行動に移せない自分がいました。
ガチガチの糖質制限や、週に何回もジムに通うような生活は、正直イメージが湧きませんでした。
仕事もあるし、家のこともある。気合いと根性に頼ったダイエットは、どう考えても続かないと分かっていたからです。
そこで僕が考えたのは、
できるだけラクで、長く続けられる方法で体を変えたい
ということでした。
そして最初の一歩として選んだのが、「朝のバターコーヒー置き換えダイエット」でした。
最初の3ヶ月は“朝バターコーヒー”だけに集中した
なぜ朝ごはんをバターコーヒーに変えたのか
バターコーヒーのことを知ったのは、YouTubeや本で「朝食をバターコーヒーに置き換えると、空腹を我慢せずにダイエットできる」という話を見たのがきっかけでした。
「朝ごはんを抜くわけじゃなくて、置き換えるだけなら自分でもできそうだな」
そう思って、まずは3ヶ月だけ本気で試してみることにしました。
当時の僕の朝食は、パンとコーヒー、たまに菓子パンやおにぎり。
お腹は満たされるけれど、食後に眠くなったり、午前中ダルさが抜けなかったりしていました。
それを思い切って全部やめて、
朝はバターコーヒーだけ
にしてみたのです。
僕がやっていたバターコーヒーの具体的なやり方
やり方はシンプルです。
- 濃いめに淹れたホットコーヒー
- バター(またはギー)をスプーン1杯
- MCTオイルを少量
これをブレンダーなどでよく混ぜて、クリーミーなバターコーヒーにして飲みます。
最初は「本当にこれだけで昼まで持つのかな?」と不安でしたが、意外と空腹感は少なく、仕事中にお腹が鳴って困るようなこともほとんどありませんでした。
もちろん、最初の1〜2週間は、これまでの習慣とのギャップで少し物足りなさもありました。
「やっぱりパンが食べたい」「甘いものが欲しい」と思う日もありましたが、そういうときは昼ご飯で好きなものを少しだけプラスするようにして、「朝だけ頑張る」というルールにして乗り切りました。
- 朝ご飯を考えなくていい
- 洗い物も少ない
- 何より「ダイエットしている」という実感がある
この3つが重なって、「よし、もう少し続けてみよう」と思えたのを覚えています。
バターコーヒーだけでは足りないと感じたこと
3ヶ月ほど続けてみると、体重は少しずつ落ちていきました。
「お、これはいけるかもしれない」と手応えも感じました。
ただ同時に、
- これを一生続けられるのか?
- もしやめたら一気にリバウンドするんじゃないか?
という不安も出てきました。
痩せること自体はうれしいけれど、僕が本当に欲しかったのは、
体重だけじゃなく、体調も気分も含めて“ラクになること”
でした。
朝だけを工夫しても、夜に暴食してしまえば意味がない。
実際、ストレスがたまった日はついお菓子や揚げ物に手が伸びて、「今日はまあいいか」と自分を甘やかしてしまう日もありました。
そこで僕は、ダイエットの情報だけでなく、「腸内環境」の本や動画を見るようになりました。
調べれば調べるほど、
- 太りやすさ
- 免疫
- メンタル
- 睡眠
こういったものが、実は腸と深く関係していることを知りました。
「ただ体重を落とす」のではなく、
腸を整えながら、じわじわと体を変えていく
という方向に、少しずつ考え方が変わっていったのです。
僕が「腸内環境」に目を向け始めた理由
痩せるだけじゃなく「体調」を良くしたかった
バターコーヒーのおかげで体重は落ち始めましたが、まだ気になることがありました。
- 日によって便秘と下痢をくり返す
- お腹が張って苦しい日がある
- 夕方になると集中力が切れる
- なんとなく気分が落ち込む日が続く
「これは単にカロリーの問題だけじゃないかもしれない」と思い始めました。
そんなときに出会ったキーワードが「腸内環境」でした。
腸の状態が乱れていると、
- 栄養がうまく吸収されない
- 免疫が落ちる
- メンタルにも影響が出る
といった話を知り、「まさに今の自分だ」と感じたのです。
そこから僕は、
痩せることだけをゴールにするのはやめて、腸を大事にする生活に切り替えよう
と決めました。
腸と全身のつながりに気づいた
腸について調べていくうちに分かったのは、
- 腸は「第二の脳」と呼ばれていること
- 幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの多くが腸で作られていること
- 腸内環境が乱れると、太りやすさだけでなく、メンタルや睡眠の質にも影響すること
でした。
「もしかしたら、今までのダルさやイライラも、腸が疲れていたサインだったのかもしれない」
そう思ってからは、単なるダイエットではなく、
腸を整えることを中心にした生活
を意識するようになりました。
それまでの僕は、「何をどれだけ食べたか」しか見ていませんでしたが、そこに「腸が喜ぶかどうか」という視点が加わりました。
すると、同じ食べ物でも選び方や食べるタイミングが変わっていきました。
そしてここから、僕のダイエットは「バターコーヒー中心」から、「腸を労わる夜のルーティン中心」へと変わっていきます。
リバウンドを防いだ“夜の腸活ルーティン”
夜に「納豆」を食べるようにした理由
まず取り入れたのが、「夜納豆」です。
納豆は、発酵食品であり、たんぱく質もとれる、腸にうれしい食材だと知りました。
しかも、手軽で安くて、準備もほとんどいらない。
ズボラな僕でも続けやすいと思い、夜ご飯にできるだけ納豆を登場させるようにしました。
やり方はシンプルで、
- ご飯を少し少なめにする
- 代わりに納豆を一パック必ず食べる
というだけです。
気分によってはネギやキムチ、卵黄をプラスして、飽きないように工夫しました。
ほんの少しトッピングを変えるだけでも、「今日はどんな納豆にしようかな」と考える楽しみが生まれ、続けやすくなります。
「夜に納豆を食べると、翌朝のスッキリ感が違う」と感じる日が増えてきて、
「これは腸が喜んでいるのかもしれない」と思うようになりました。
帰宅後の「豆乳プロテイン+ココア」が続いた理由
次に習慣にしたのが、帰宅後すぐの
豆乳プロテイン+ココア
です。
仕事終わりは、お腹も空いていて、ついお菓子や揚げ物に手が伸びがちです。
そこで、家に帰ったらまず最初に、
- プロテインパウダー
- 豆乳
- ココア
を混ぜたドリンクを一杯飲むようにしました。
牛乳ではなく豆乳にしたのは、たんぱく質をとりつつ、植物性のものも増やしたかったからです。
ココアを入れることで飲みやすくなり、甘いものへの欲求も少し満たされます。
この一杯を先に飲んでおくと、
- そのあとのドカ食いが減る
- お腹が落ち着くので、ゆっくりと食事ができる
というメリットがありました。
結果的に、「夜にお腹いっぱいになるまで食べないと落ち着かない」という状態から少しずつ抜け出せたのは、この習慣のおかげだと思っています。
「とりあえずプロテインを飲んでから考える」というルールをつくったことで、衝動的な食べ方が減り、選択に余裕が生まれました。
ビタミンDサプリを取り入れた狙い
さらに、僕は「ビタミンDサプリ」も取り入れました。
ビタミンDは、骨の健康だけでなく、免疫やメンタル、睡眠にも関わると言われています。
外に出る時間が少ない日が続くと、どうしても不足しやすい栄養素でもあります。
食事だけで完璧にとるのは難しいと感じていたので、
足りない分はサプリで少し補う
というスタンスで、ビタミンDを夜の習慣に加えました。
もちろんサプリは万能ではありませんが、
- 「自分の体をケアしている」という安心感
- 免疫やメンタルへのサポートを意識できること
この二つは、僕にとって大きな意味がありました。
「夜のルーティン」で腸が安定してきた実感
こうして、
- 夜納豆
- 帰宅後の豆乳プロテイン+ココア
- ビタミンDサプリ
という夜のルーティンを続けていくうちに、少しずつ体感にも変化が出てきました。
- 朝のトイレのリズムが整ってきた
- お腹の張りが前よりラクになった
- 夕方のどっとした疲れが軽くなった気がする
- 気分の浮き沈みが少し穏やかになった
もちろん、劇的な変化ではありません。
でも、「あれ、そういえば最近○○が気にならなくなってきたな」という小さな変化が積み重なっていきました。
そして気づけば、体重は少しずつ減り続け、
78キロだった体重は、2年でトータル13キロ減
という結果につながっていったのです。
2年で13kg痩せて分かったこと
一気に痩せないほうが、むしろラクだった
この2年間を振り返って感じるのは、
一気に痩せようとしなかったから、むしろラクだった
ということです。
短期間でマイナス◯キロ!という派手な変化はありませんでしたが、
- 生活習慣そのものが少しずつ変わっていく
- 無理なく続けられるやり方だけが残っていく
- 気づいたら体重が落ちていた
という流れは、思った以上に心がラクでした。
もし、最初から「3ヶ月で10キロ痩せる!」といった目標を立てていたら、途中で心が折れていたかもしれません。
僕の場合は、「まずはできることを1つ」「次はもう1つ」と積み重ねていくスタイルが、自分の性格にも合っていたのだと思います。
今振り返ると、
- 朝はバターコーヒーでスタート
- 腸のことを意識し始め
- 夜の腸活ルーティンが定着する
この流れがあったからこそ、リバウンドせずにここまで来られたのだと思います。
腸を意識すると、メンタルや睡眠もセットで良くなる
もう一つ、大きな気づきがあります。
それは、
腸を意識した生活に変えると、メンタルや睡眠もセットで良くなる
ということです。
- 朝、お腹がスッキリしていると、それだけで一日のスタートが軽い
- 体が軽くなると、動くのが億劫じゃなくなり、自然と活動量が増える
- しっかり動くと、夜の眠りも深くなる
こんな良いサイクルが、少しずつ回り始めました。
ストレスがゼロになるわけではありませんが、「疲れたから今日は早く寝よう」「今日は腸に優しいものを食べよう」と、自分の体をいたわる選択が前よりも自然にできるようになりました。
腸内環境を整えることは、単に「痩せるためのテクニック」ではなく、
これから先の自分の体と付き合っていくための土台作り
なのだと、今は感じています。
これから腸活ダイエットを始める人へ
最後に、これから腸活ダイエットを始めてみようかなと思っている方へ、実体験からのメッセージを書いておきます。
まず、いきなり全部を真似する必要はありません。
むしろおすすめしたいのは、
「朝だけ」「夜だけ」のどちらか一つから始めること
です。
例えば、
- 朝食をバターコーヒーに置き換えてみる
- 夜ご飯に納豆を一品足してみる
- 帰宅後に豆乳プロテイン+ココアを一杯だけ飲んでみる
など、自分にとって「これならできそう」と感じるものを一つだけ選んでみてください。
それを1週間、続けられそうなら1ヶ月。
気づけば、それが自分にとって当たり前の習慣になっていきます。
そしてもう一つ大事なのは、
体質や体調は人それぞれ違う
ということです。
持病がある方や、薬を飲んでいる方、食物アレルギーがある方などは、必ず医師や専門家にも相談しながら、自分に合ったペースで進めてください。
無理にマネをして体調を崩してしまっては本末転倒ですし、「焦らず、自分のペースで」が一番の近道だと、僕自身の経験からも感じています。
僕にとって、
腸を大事にする生活は、ダイエットだけでなく、“これから先の自分の体”への投資
です。
78キロからのスタートでも、2年で13キロは落とせました。
時間はかかりましたが、その分、リバウンドの不安が少ない「自分なりのやり方」を見つけられたと思っています。
この体験記が、どこかの誰かが
「よし、まずは一つだけやってみようかな」
と思えるきっかけになれば、これ以上うれしいことはありません。

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